蝶ヶ岳 1泊2日テント泊登山 山頂での槍穂の絶景に感動!
長野県、北アルプスの常念山脈にある蝶ヶ岳(ちょうがたけ、2,677m)。
5月下旬から6月頃に山頂直下の稜線付近にチョウのような雪形が現れ、それが山名の由来となっており
麓の安曇野(あずみの)ではこのチョウの雪形を農耕の目安としていたそうです。
この蝶ヶ岳のオススメは蝶ヶ岳ヒュッテやテント場から見える槍・穂高連峰の絶景です!
雲海や御来光も見れると一生の記憶に残る感動的な光景となるでしょう。
y-hey
今回は北アルプス登山のおススメスポットとして蝶ヶ岳の紹介&絶景が見れた登山記をお伝えします!
蝶ヶ岳 登山情報
山名:蝶ヶ岳(ちょうがたけ)
標高 2,677m
場所:長野県 松本市、安曇野市
ルート:上高地から1泊2日 周遊コース
蝶ヶ岳山頂 〜 横尾 ~ 徳沢 〜 上高地
下図の赤線沿いのルートです。
コースタイム:
1日目 6時間40分: 上高地バスターミナル(1時間)→ 明神(1時間)→ 徳沢(3時間40分)→長塀山(1時間)→ 蝶ヶ岳(蝶ヶ岳ヒュッテで1泊)
2日目 5時間10分: 蝶ヶ岳(30分)→ 横尾分岐(1時間30分)→ 槍見台(30分) → 横尾(1時間10分)→ 徳沢(1時間)→ 明神(1時間)→ 上高地バスターミナル
※山と高原地図のコースタイムを記載
難易度: ★★★☆☆
登山口(徳沢)から蝶ヶ岳山頂までの標高差は1100mあり、長塀山への長塀尾根は中々の急登。
樹林帯の中を歩き、日差しの影響をあまり受けないので、山でも日焼けをしっかりとケアしたい山ガールにもオススメ。
おすすめ度:★★★★★
上高地側からスタートするため、アクセスが良く、1泊2日で北アルプスをしっかりと楽しめる山。
長塀尾根の急登を登り蝶ヶ岳山頂付近に来ると、雲海の上に蝶ヶ岳ヒュッテやテント場が待っています。
蝶ヶ岳頂上や蝶ヶ岳ヒュッテ付近にある瞑想の丘からは槍ヶ岳や穂高連峰を間近に見ることが出来、圧巻の一言!
登山をするなら是非一度この景色を見て下さい!というくらい感動します!
蝶ヶ岳 登山口へのアクセス
蝶ヶ岳に登るには三股から登るルートもありますが、今回紹介するのは上高地から徳沢経由で登るルート。
上高地はマイカー規制されているため、関西・名古屋方面から車で行く場合は平湯温泉のあかんだな駐車場まで行き、そこからバスに乗り換えます。
あかんだな駐車場について詳しくは別記事で紹介しています。
登山データ
日時
2018年6月16日(土)〜17日(日)
メンバー:
y-hey: 39歳(男)
このブログ「登っちゃえば?」を書いている人。山登り歴は13年。
キリマンジャロ(5,895m)登頂、アコンカグア5000mまで到達した経験から高山病に対する知識は豊富。
ドMなのでテント泊+カメラ機材の25kgの荷物を背負って山に登ることに喜びを感じている(笑)
詳しいプロフィールを一応見てみる
Uさん: 43歳(男)
y-heyの影響で2016年から登山にハマり、
y-heyと一緒に北アルプスの焼岳や南アルプス白峰三山縦走を楽しんでいる。
登山時の服装、主な装備
上半身
ベースレイヤー: monbell ジオライン ミドルウェイト
アウターシェル: (アークテリクス) ARC’TERYX『Alpha SL Jacket』(Black)
防寒着: ミレー ダウンジャケット(予備としてザックに収納)
下半身
ベースレイヤー: SKINS(スキンズ)コンプレッションタイツ
アウターシェル: (アークテリクス)ARC’TERYX Alpha Pants
登山靴: スカルパ キネシスプロ GTX
軽アイゼン: 6本爪アイゼン
ザック
[グレゴリー] GREGORY BALTORO75 バルトロ75
テント類
テント: Mountain Hardwear (マウンテンハードウェア) Direkt2 ダイレクト2
マット:THERMAREST(サーマレスト) ネオエアー Xライト (51×183×厚さ6.3cm)
調理器具
バーナー: プリムス P-153ウルトラバーナー
コッヘル: EPI(イーピーアイ) ATSチタンクッカー TYPE2-L
カメラ類 (三脚だけで2.4kg・・・ これが重い・・・)
カメラ本体:Canon EOS 5DsR
標準ズームレンズ: EF24-70mm F2.8L II USM
望遠ズームレンズ: EF70-300mm F4-5.6L IS USM
三脚: GITZO マウンテニア 2型 カーボン 4段 GT2542
雲台: GITZO 3Way雲台 ロープロファイル 2型 クイックリリースプレート付属 G2272M
ここからは実際に登った時の登山記をお伝えしますので、あなたが蝶ヶ岳に登山される際の参考にして下さい!
2018年6月 蝶ヶ岳 登山記 1日目
登山口 上高地まで
登山前日の金曜日の朝から出張先の栃木県宇都宮から名古屋まで車を運転して帰り、その後オフィスで仕事して帰宅。
そして夜にパッキングを終えて就寝できたのがAM0時。
そしてAM3時起床。
いきなり睡眠時間3時間まで削り込み、登山の難易度を上げることに成功。
そんな状態で出発!
しかし久しぶりのテント泊登山で気分が浮わついているせいか、眠気を全く感じず、
3時間運転して登山口である上高地へ行くバスに乗るため、平湯温泉のあかんだな駐車場へ着いた時には
「あれ?もう着いたの?」(*´∀`)
と謎のテンションだった。
これは直前に宇都宮〜名古屋間の運転と体が比較したため、名古屋〜平湯温泉間は距離が近く感じられたと思われる。
前日までは雨だったため、まだまだ霧が出ている平湯温泉 あかんだな駐車場。
ここからバスチケットを購入して上高地まで移動する。
運転をハイテンションでがんばったせいか、1本前のAM6時50分発のバスに乗れた。
バスの車窓からはすでにこのような北アルプスの山々が見えてきて、テンションがさらに上がる!
バスに乗って30分後、上高地バスターミナルに到着。
ここで登山届を提出しておく。
ちなみに登山届の書き方については別記事で解説しています。
▶登山届(登山計画書)とは?書き方や記入例、エクセルのフォーマットも紹介
河童橋でもテンション高めでポーズ。
上高地 〜 明神 〜 徳沢
上高地から明神を経て、本当の登山口である徳沢まで、まずは平坦な道を歩く。
コースタイムは2時間なので準備運動にちょうど良い距離である。
50分くらいで明神に到着。
休憩後、徳沢へ向けて出発して歩いていると、なんと野生の猿が!
人馴れしているせいか、近づいて写真を撮っても全然逃げずに普通に歩いている(笑)
そんなおサルさんポイントを通りつつ徳沢へ到着。
上高地から1時間40分なのでコースタイムよりやや早いペース。
名物のソフトクリームを食べようとしたが、それほどお腹がすいていないため、下山後に食べようと心に誓う。
徳沢 〜 長塀山(ながかべやま)
徳沢に蝶ヶ岳・長塀山(ながかべやま)の登山口があり、ここから本格的な登山開始となる。
道はしっかりと整備されており、特に危険箇所は無いが、
中々の急登なので6月のアルプスでも汗が吹き出してくる。
今回はテント泊装備に加え、カメラ撮影装備(約7kg)や、寄せ鍋セット(冷凍野菜、冷凍肉)を持ってきたため
荷物の重さが約25kgになっている。
「三脚だけで2.4kgもあるもんなぁー。しんどいなぁー。」
とボヤきながら登る。
そして途中に広いスペースがあったので、ここでお昼休憩。
お湯をプリムス P-153ウルトラバーナーでサクッと沸かしてコンビニで買ったカップ麺を食べる。
山で食べる料理はいつもうまい。
きっと自然の中で食べることと、ここまで登ってきた疲れもあって美味しさが倍増するのだろう。
さらに進むと、やっと蝶ヶ岳まで半分の距離まで来た。25gkのザックが肩にしっかりと食い込んでくる・・・
標高2,500m付近から残雪が現れた。
軽アイゼン(靴に装着する鉄の爪の簡易版)を念のため持ってきたが、まだ使わずに行けそうな足場。
途中、残雪のため、登山道が分かりづらくなっている箇所があったが、
その都度現在地を地図、コンパス、地図アプリのYAMAPで確認しながら進むと
長塀山(ながかべやま)の頂上に到着。
長塀山 〜 妖精の池 〜 蝶ヶ岳頂上
長塀山から先へ進むと、下り斜面に残雪が現れた。
我々は軽アイゼンを付けずにストックでバランスを取りながら進んだが、滑りやすい箇所もあったので
人によっては軽アイゼンを装着したほうが良い箇所。
そして更に樹林帯の中を進むと、妖精の池に到着。
妖精は不在のようなので写真を撮って先へ進む。
ちなみにこういう池を見るとドラえもんのきれいなジャイアンが出てきそうな感じがするのは私だけだろうか・・・
私だけ・・・
そのようなアホなことを考えている間に蝶ヶ岳の山頂直下まで来たら
雪渓の白と空の青、新緑の緑のコントラスト、そしてバックには穂高連峰(ほたかれんぽう)が迫る絶景に感動。
その後も穂高連峰を撮影しつつ、
蝶ヶ岳山頂に到着!
いやぁこれだけ晴れているとテンション上がりますねー!
y-hey
蝶ヶ岳テント場
その後は山頂近くにある蝶ヶ岳ヒュッテのテント場にテントを張る。
稜線上にあるため風は強いが、間近に常念岳(じょうねんだけ)や雲海を見れるので贅沢なロケーション。
テントを張った後はご褒美のビール!
家で凍らせたビールを背負ってきました!
こんなのまで持ってきたからザックが重いんですよね・・・
y-hey
そしてさらに凍らせた豚肉と野菜を具材に入れて、寄せ鍋を作る!
重たい生野菜や生肉を担ぎ上げ、テント場で食べる料理は最高です!
y-hey
さらにソーセージも!
大満足の料理を美味しく食べ、満腹になったところで20時台に早めの就寝。
山の夜は早いのです。(翌日早起きして行動開始するため)
前日の睡眠時間は3時間だし、ぐっすり眠れるだろう、なんて思っていたら
0時くらいまで強風が吹いていて全然眠れず、結局この日も実質寝たのは3時間くらい?
こんな調子で無事に下山できるのか?
※ここから以下は2018年6月28日に追記
2018年6月 蝶ヶ岳 登山記 2日目
蝶ヶ岳からの御来光
AM3時30分起床。
山の日の出・日の入り時刻を調べれる便利サイト、日の出・日の入り時刻
で調べると、2018年6月17日(日)の蝶ヶ岳の日の出は4時20分だが、すでにこの時間から空が明るくなり始めていた。
これはカメラと三脚を取り出さねば!
y-hey
ここからは朝食の準備やテント撤収の準備は全く行わず、早速ウハウハの撮影タイム!
ちなみに今回25kgの荷物の一部となった、2.4kgの三脚+雲台はこれ。
標高差1,000m以上の長塀尾根(ながかべおね)をこれを背負って登るのは
なかなかしんどかったが、ついにこの三脚の真価を発揮する時が来た!
夜明けの時、朝日に照らされて赤く燃えるような山肌になる現象を「モルゲンロート」と言うが、
すでに槍ヶ岳周辺にはモルゲンロートが微妙に始まりつつある!
間近に迫る常念岳(じょうねんだけ)も夜明けを刻一刻と待っているようだ。
富士山も遠目に見える。300mズームレンズで目一杯拡大してみる。
東の空を見れば御来光が出る前の雲海が目の前に広がる。
移り変わる雲の海達をご覧頂きたい。
ちなみに「なんで苦しい思いしてまで山に登るの?」と登山に全く興味の無い方から聞かれることがある。
山の登る理由は人さまざまだ。
自然の中を歩くのが好き、非日常感を味わえる、そこに山があるから等、色々とあるだろうが、
個人的には
「登った時の達成感」と「人生を変える最高の絶景に出会える」ことだ。
登山の楽しさを知らない方を、ここに連れてくれば少しは分かって頂けるかもしれない。
そこには、写真だけでは伝えきれないだけの感動的な光景がある。
そして、逆に「なぜこんな人生を変えるような絶景に出会える登山をしないの?」と質問してみたい。
このような人生を変えるような最高の景色を見れるのが登山。
人生が楽しくなる。
本当にそう思う。
興味があるなら、登っちゃえば?
(ブログタイトルの宣伝です(笑))
なんてことを考えているうちに、御来光が!
周りで一緒に鑑賞している登山者達からも「おぉー!」と感嘆の声が上がる。
燃えるような朝日とはこのことだろう。
振り返れば、槍穂(槍ヶ岳と穂高連峰)が赤く染まってモルゲンロートになっている!
赤く染まる穂高連峰。
絶景という絶景を目の当たりにして、夢中で数百枚のシャッターを切った。
いつまでもここにいたいと思わせる絶景がそこにあった。
朝食、テント撤収、出発
いつまでも見ていたいような、夢のような景色だったが、下山しないといけないので区切りを付けてテント場に戻る。
朝食は昨日の夕食だった寄せ鍋の残りを雑炊にして、しっかりと腹ごしらえ。
朝食後は槍ヶ岳を眺めながらコーヒータイム♪
日の出の後も最高の景色を見させてくれる最高のロケーション。
そんな蝶ヶ岳のテント場を後にする。
蝶ヶ岳ヒュッテ テント場 〜 蝶槍分岐
テント場からは約2時間30分で横尾までの道を進む。
最初は槍穂を見ながら稜線上を歩くという、なんとも贅沢なコース。
このような青空が広がる天気で、とても梅雨とは思えない絶景を見させてもらった。
そして蝶槍(蝶ヶ岳近くにある槍ヶ岳のような山)分岐まで来た。
蝶槍分岐 〜 なんちゃって槍見台 〜 槍見台 〜 横尾
蝶槍分岐からはこの重いザックを背負っての下りである。
夜の冷えでしっかりとアイスバーンのように固まった雪の道を慎重に進む。
ちなみにここはアイゼンを付けても良いかも。むしろストックが無いならアイゼンは必須。
途中で珍しい大木やケルンのポイントを越えて更に下ると、
なんちゃって槍見台に到着!
「なんちゃって」なんていう名前が付いている箇所だが、しっかりと槍ヶ岳を見ることができた。
そこからさらに下ると、槍見台に到着。
槍見台のほうが、なんちゃって槍見台より低い位置にあるせいか、視界がやや限られる中での槍ヶ岳の眺め。
だんだん膝に負担がかかってきている中をさらに下り、
横尾に無事下山!
ここまで来ると安心しますねー!
でもまだ上高地までは3時間歩くんです・・・
y-hey
横尾でしばらく水分補給等で休憩した後は、上高地へ向けて出発!
横尾 〜 徳沢 〜 明神 〜 上高地
まずは横尾から1時間10分の徳沢を目指す。
とは言っても横尾〜上高地間は平坦な道を歩くだけなので非常に楽。
25kgの荷物を背負いつつもコースタイムより早く着いた。
この時期はみちくさ食堂のテラス席が気持ちがいいです。
ここで昼食として野沢菜チャーハンとノンアルビールを注文。
そしてご飯の後は、デザートのソフトクリーム!
疲れた体に染み渡る!
しっかりと昼食を食べた後は再び上高地へ向けて歩きだす。
なかなか良いペースで明神に到着。
そこからさらにラストスパートで早く歩き、上高地バスターミナルに到着!
歩行スピードを上げたおかげで、帰りも1本早いバスに乗ることができた。
無事にあかんだな駐車場に戻ってきて今回の登山は終了!
ここから平湯温泉「ひらゆの森」で2日分の汗を流して、名古屋への帰路に着いた。
まとめ
北アルプスにありながらも百名山では無いため、ややマイナーな山である蝶ヶ岳。
今回我々が登った、上高地から入るコースなら途中まで平地だし観光気分で楽しめる上、
蝶ヶ岳からは槍ヶ岳や穂高連峰の絶景を拝むことができる。
しかも今回は6月の梅雨真っ只中にも関わらず、嘘のような晴れの空となり
ただただ感動しきりのウハウハな景色を見ることができた。
できれば蝶ヶ岳ヒュッテで小屋泊かテント泊して、御来光の絶景を見て下さい。
人生変わりますよ。ホントに。
この記事を読んであなたのアウトドアライフが豊かになれば幸いです。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
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みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)