富士登山での荷物の詰め方 ザックのパッキングの3つの原則を覚えれば10倍楽になる
こんにちは!写真も撮れる登山ガイドのy-heyです!
初めての富士登山。でも登山自体が初めてだし、荷物の詰め方よく分かんない!
というような方に向けて、今回は富士登山での荷物の詰め方(パッキングの方法)について解説します。
この記事で紹介する「パッキングの3つの原則」を覚えておけば、登山が驚くほど楽になります。
では早速解説していきましょう!
ちなみに富士登山に必要な持ち物については↓の記事で解説しています。
▶【初心者必見】富士山登山の持ち物と装備をチェックリスト付きで解説
覚えておきたい登山ザックのパッキングの3つの原則
富士登山の場合、山小屋での1泊2日が基本日程となりますので、今回はその前提で40Lのザックに山小屋泊装備をパッキングする方法を見ていきましょう。
ザックのパッキングには「3つの原則」があります!1つずつ見ていきましょう!
y-hey
原則1:重い物は体の近く、軽い物は体の遠く
重い物はザック内で体から近い側(=背中の近く)に入れます。
- 重い物の例:水分、食糧
軽いものはザック内で体から遠い側(=背中から遠く)に入れます。
- 軽い物の例:着替え、ダウンジャケット
このようにすることで、ザックを背負った時にザック内の重心が体の近くに来るため、歩行が安定します。
逆にこのようにパッキングしないと、ザック内の重心が体から離れるため、歩行時にザックに振り回されるようになり、安定しません。
原則2:行動中に使う物は上側、使わない物は下側
ザック本体の荷物の仕分け方として、行動中に頻繁に使うものほど、より取り出しやすい場所に収納しておく必要があります。
- サイドポケット(ザックの腰ベルトについているポケット):ザックを背負ったまま使いたいもの(例:行動食、スマホ)
- 雨蓋:すぐに出したいもの(例:レインウェア、ヘッドライト)
- ザック本体上部:大休憩でザックを降ろした時に出せるもの(例:食糧、ファーストエイドキット)
- ザック本体下部:山小屋に着いてから出すもの(例:着替え、ダウンジャケットやフリース等の防寒着)
原則3:パッキングは「縦」に詰める
パッキングは基本的にスタッフバッグに入れて小分けにしたものを縦に積み重ねていくイメージです。
縦に詰める利点としては、
- スタッフバッグの色や形で何がどこに入っているのか、ザックの中を覗いたときに分かりやすい
- 道具同士を圧迫するくらいギュウギュウにつめることでバランスが安定
が挙げられます。
逆に横に詰めてしまうと
- ザックの中を覗いたときに分かりにくい
- 道具同士を圧迫するくらいギュウギュウにつめることができないため、バランスが不安定
となります。
パッキングでその他注意する点
軽量化を心掛ける
山の中では「軽いは正義」です。
ザックに入れた物は食べたり飲んだりしない限り、下山までずっと背負い続けることになります。
富士山山頂までは長いから、あれもこれも持って行きたくなる気持ちも分かりますが、その荷物、登山で本当に使いますか?一度考えてみて下さい。
また、個々のアイテムはなるべく重量の軽いものを選択しましょう。(その分お値段も張りますのでコストと重量のバランスが大事です)
スタッフバッグを活用して小分けする
持ち物を小分けする時は何を使えば良いでしょうか?
スーパーで手に入るビニール袋を使おうと思ったあなた、一度↓の記事を読んでみて下さい。
→富士山登山で山小屋泊が初めての人へ 登山ガイドが伝えたいルールとマナー
山小屋では山頂へ向けて出発する時間が異なるため、起きる時間も異なります。
あなたが起きた時には隣の人は寝ているかもしれません。
そんな状態でビニール袋をガサゴソされたら・・・
嫌な気分ですよね?
そんなビニール袋代わりに必要なのが、原則3でも出てきたスタッフバッグです。
このバッグを使って大まかに道具をまとめておきましょう。
濡れて困る機械類はジップロックへ
実はジップロックは防水性が高いため(完璧では無いので注意)
スマートフォン、予備バッテリー、カメラのバッテリー、お金
を収納するのに優れています。
- 高い防水性
- 軽い
- 安い
- ビニール袋のようにカサカサ音がしない
- 透明
- サイズが豊富
等、たくさんの利点がありますので、こんな便利なアイテムを登山で使わない手は無いです。
実際に富士登山の装備をパッキングしてみた
以上のような3つの原則や注意点を踏まえ、実際に富士登山装備のパッキングをしてみました。
この通りに行わなければいけないということでは無く、あくまで一例です。
上で紹介した「3つの原則」に則ってパッキングすることが重要です。
ハイドレーションシステム
まず、ザック内が空の状態。
まずザック内で背中側の場所にハイドレーションシステムを入れます。「原則1:重い物は体の近く、軽い物は体の遠く」でしたね。
水分や金属は比重が大きいため重いです。一番背中側に入れましょう。
多くのザックでは背中側にハイドレーションシステムを入れる袋が付いていますので活用しましょう。
もしハイドレーションシステムが無ければ水筒を三段目に入れるイメージになります。
パッキング 1段目
最初は一番下の段である1段目に詰めます。
「原則2:行動中に使う物は上側、使わない物は下側」ですので、1段目は「山小屋到着後出すもの」をいれます。
ここでは着替え、防寒着を入れています。
「原則3:パッキングは縦に詰める」に従って縦の方向に詰めていきます。
パッキング 2段目
パッキングの2段目は引き続き山小屋到着後に使う装備を入れます。
ここでは予備の水、着替え、救急セットを入れました。
パッキング 3段目
パッキングの3段目(一番上の段)は大休憩で使うものを入れます。
ここでは、ウェットティッシュ等が入った小物類の袋、行動食、ヘッドライトを入れました。
雨蓋
雨蓋にはすぐに出す必要があるものを入れます。
ここではレインウェアとサングラスを入れました。
雨蓋の裏側にもポケットが付いていたため、ここにはスマホの予備バッテリーを入れました。ジップロックで防水も忘れずに。
サイドポケット
腰ベルトのサイドポケットには、飴等のちょっとした行動食を入れておきます。
ザック横のポケットには、タオルを入れました。
ザック横のポケットにペットボトルを入れる方が多いですが、ここにペットボトルを入れるとザックが斜めになった時に落ちて、
登山道の下に入る人に当たる可能性があるため、あまりオススメはできません。
以前、20〜30mの壁の上からペットボトルを誤って落とされた方がいて、
落ちてきたペットボトルはかなりの衝撃で地面に叩きつけられました。あそこに人がいたらと思うとゾッとします。
ただし岩稜帯の無い夏の富士山であれば、許容範囲とも言えます。
地図、スマホ等の小物はアクセサリーポケットが便利
地図、カメラ、スマホ等、常に使う道具はザックを下ろさずに出せる場所に収納する必要があります。
服のポケットでも良いですが、体の前側に付けるアクセサリーポケットのようなアイテムがあると便利です。
まとめ
今回は富士登山での荷物の詰め方(パッキングの方法)について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
- 原則1:重い物は体の近く、軽い物は体の遠く
- 原則2:行動中に使う物は上側、使わない物は下側
- 原則3:パッキングは縦に詰める
この記事で紹介した「パッキングの3つの原則」を実践してもらい、楽に登っちゃいましょう!
この記事を読んであなたが富士山に無事に登頂できることを祈っています。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
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みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)