南米最高峰アコンカグア単独登山記【9】Good bye, Aconcagua
こんにちは!アウトドアライフクリエイターのy-heyです。
2013年12月に南米最高峰アコンカグア(6,962m)に単独登山してきた記録の第9弾で最終回です。
今回は下山編です。
前回の記事では自分が肺水腫だという衝撃の事実が発覚したエピソードを紹介しました。
▶南米最高峰アコンカグア単独登山記【8】まさか自分が〇〇〇になるとは・・・
2013年12月30日(月) 登山10日目
Plaza de Mulas(プラザ・デ・ムーラス, 4367m)~ Confluencia(コンフルエンシア, 3414m) ~ Horcones(オルコネス, 2900m)→ Penitentes(ペニテンテス, 2615m) → Mendoza(メンドーサ, 761m)
Plaza de Mulas(プラザ・デ・ムーラス, 4367m)~ Confluencia(コンフルエンシア, 3414m)
いよいよ下山開始です!
6泊7日も過ごしたベースキャンプにお別れを告げます。
単独登山ですので当然ながら肺に水が溜まっていようが下山も一人です。
来た時みたいに道に迷わなければいいけど・・・
y-hey
という不安は若干ありましたが、この日はy-hey以外にも下山する人がいるようで、最初は↓の2人組の方と一緒になりました。
途中で何度か川があったのですが、午前中のためか雪解け水が少なく水位も全然ないため渡るのは簡単でした。
12月24日に登りで通った時は夕方だったため、水位が上がっていて濁流になってましたが時間帯でこうも違うのかと驚きました。
荷物を運ぶムーラ隊とも何度も出くわしました。
天気は快晴で4,000mの高度にいるにもかかわらず、空は一面の青で、どこまでも続く感じがました。
そしてコンフルエンシアまで後4時間の地点まできました。
ここまで下りで3時間なのでまずまずのペースで下りれたことになります。
y-hey
ベースキャンプにいたメキシコ人の親子
(父親があの8000m峰14座を無酸素で世界初登頂した登山家、ラインホルト・メスナーに似ています)
はy-heyより後から下山のため出発しましたが、知らぬ間に違うルートから抜かされていたようで気づいたら前方にいました。 さすがメスナーだ!
この日は風が強くて、軽い砂嵐に巻き込まれることもありました。
遠くで発生した砂嵐が、
だんだん迫ってきて、
かなり近い!
この後、砂嵐に巻き込まれたため顔に砂が当たりまくり、写真を撮っている余裕はありませんでした・・・
赤土の道を進み、
緑が見えてきました。植物があるとなぜか安心します。
遠くにコンフルエンシアが見えてきました。
濁流が流れる橋を渡れば、
中間地点のコンフルエンシアに到着です!
ベースキャンプから約5時間かかりました。
登りの時は道迷いもあったせいか12時間もかかりましたが下りは普通のタイムでしょうか。
y-hey
軽く水でも飲んで休憩していこうかと思いましたが、コンフルエンシアの水はマグネシウム入りで以前とんでもない目にあったため道端で少し腰を下ろして、自分の持っている水分を補給し、先を急ぐことにしました。
Confluencia(コンフルエンシア, 3414m)~ Horcones(オルコネス, 2900m)
この辺りではこれから登ってくる人が結構いました。
でもコンフルエンシアまで来るだけで疲れている方が多いような・・・
コンフルエンシアから先が辛いからがんばって下さい!と心の中で思いました。
登りの時に食事休憩した場所に来ました。すでに懐かしく感じました。
オルコネス川沿いに下山します。
登山者のみが渡れる吊り橋まで来ました!ということは残り約1時間だ!
ムーラは川を普通に渡渉(としょう、川を渡ること)していきます。
そして行程も終盤に差し掛かり、気力を振り絞るゾーンに来ました。
マラソンでいうと35km地点を超えたあたりのイメージです。
そこで登山口のオルコネス近くにあるオルコネス湖が見えて来たため、あと少し!と自分を鼓舞しながら進みます。
そして登山口にあるヘリポートまで到着!
しかし下山時にはここからさらに↓の写真の左側の道路を約10分下って
ビジターセンターに行き、アコンカグア登山最後のチェックアウト(下山報告)をしなければなりません。
登山エージェントのお迎えは来ていないかな?と駐車場のあたりを見ても来ていないようなので自分の足で下りる必要があります。
精神力だけで、固いアスファルトの上をガクガクの膝で歩きながらようやくゴールであるビジターセンターに到着!
ベースキャンプであるプラザ・デ・ムーラスから約8時間に及ぶ行程にいよいよ終止符が打たれました!
つ、つかれた・・・
ここで登山許可証を提出してチェックアウトの手続きを無事に済まし、アコンカグア登山は完了です!
Horcones(オルコネス, 2900m)→ Penitentes(ペニテンテス, 2615m)
登山口であるオルコネスのビジターセンターに着いたy-heyは
またまた父親は登山家ラインホルト・メスナー似のメキシコ人親子に会いました。
てっきり途中で抜かされて、そのままぶっちぎられたかと思いましたがほんの10分くらい前に着いたとのこと。。
メスナーと接戦してたわけです!(似てるだけです。)
さてここビジターセンターからはエージェントのLANKO(ランコ)の車が迎えに来てくれるはずですが・・・
メスナー親子に聞いてみたら彼らもLANKOを使っているとのこと!
じゃあ一緒に乗っていきますか!というわけでさらに待つこと10数分。。。
到着したのはなんとこんなファンキーな車!(写真はペニテンテスに着いてから撮った写真です)
これに乗っていくわけですがなんと運転手は2人で来てシートは二つしかない・・・
ということはメキシコ人親子&y-heyは必然的に荷台に乗って移動することに!
ドナドナみたいな雰囲気ですねー。
y-hey
写真には撮ってはいないのですが走っている車の荷台から、恐らくもう来ることが無いかもしれない
最後のアコンカグアが見えるわけです。
この最後のアコンカグアの雄姿を見たら、この山に来るまでのことや、この山の中であった
いろんな出来事が走馬灯のように巡ってきました。
2013年11月に突然アコンカグアに行くことを思い立ったこと。
仕事のメキシコ出張もうまい具合に日程を組めてそのついでに3週間以上休みを取ってアコンカグアに行くという社会人としてはあり得ない行動を認めて頂いた会社(認めていないかも?)
クリスマス・年末年始を海外の山で過ごすという妻子持ちとしてはありえない行動を最終的には認めてくれた妻。
(メッチャメチャ怒られましたが)
アコンカグアまで来るための交通手配や宿泊手配、登るための登山用具の手配。
予防接種や安全関係の情報の下調べ。
アルゼンチンのメンドーサについてからの登山申請や準備。
登山開始となってから苦しんだ高山病。
ベースキャンプまで迷いながらも歩いた12時間。
高度順応がうまく進まず、荷上げに苦しんだキャンプカナダ。
最終的には肺に水が溜まっていると告げられたベースキャンプの診療所。
肺に水が溜まりながらも気合いで下山した8時間。
それらの想いが体の中から一気にあふれてきて、乾いた風に吹かれている頬を伝いました。
アコンカグア。
これでお別れだ。
もうここには来ないかもしれない。
アコンカグア。
Good bye, Aconcagua!
今まで長々と書いてきましたこのアコンカグア単独登山記も、これにて終了となります。
本シリーズを読んで下さった方、本当にありがとうございました。
たとえ結果がうまくいかなかったとしても
何かに挑戦すること、
そしてそれに向かって突き進む「努力」、「行動」の大切さ
があなたに伝われば、この登山記を書いた者としてこれほど嬉しいことはありません。
アコンカグア登山編はこれにて終了ですが、今後は装備編等も書いていきます。
~y-heyの南米最高峰アコンカグア 単独登山記 了~
現在募集中のツアーは↓です!
みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)