【登山初心者向け】日帰り登山の持ち物をリスト付きで徹底解説
登山に必要な持ち物は、その山行形態(日帰り、小屋泊、テント泊)により異なりますが
初心者の方が登山を始める場合、まずは日帰り登山になると思います。
今回は初心者の方が登山の持ち物を揃える前に知っておくべきことや、
日帰り登山に必要な基本的な装備を紹介します。
登山持ち物チェックリスト(Excel, PDF形式)も作成しましたので、あなたの登山準備にお役立て下さい。↓のリンクから無料でダウンロードできます。
y-hey
YouTubeでも日帰り登山の持ち物にやパッキング方法ついてオリジナル資料を使って徹底解説していますので、動画の方が良い方はご覧下さい。
登山の持ち物を揃える前に知っておくべき3つのこと
最初は持っている服装や持ち物を活用する
登山用品は軽量かつ高機能な製品が多いため、最初から全てを揃えようとするとお金がかかります。
そのため、最初のうちは持っている日用品を組み合わせることを考えましょう。
防寒着、ザック(リュック)、帽子は手持ちのモノで済ましたりできます。
その登山を終えた後、「やっぱりこの装備は登山用の方が良いよね」となる場合、その装備を購入すれば良いです。
命に直結する道具はきちんと揃える
ただし以下の登山道具は必須です。後ほど詳しく解説しますが、きちんとした道具が無いと
万が一の場合、命に関わりますので必ず揃えて下さい。
- レインウェア:山の天気は変わりやすいため、先程まで晴れていても急に雨が降ります。
濡れ・風・冷えは体温を低下させる原因となり、必ず防水透湿性素材のレインウェアを携行しましょう。
- 登山靴:登山道はハイキングコースの木道(もくどう)のように整備された道では無いため、
滑りにくく足首をしっかりサポートしてくれる登山靴は必須です。
- ヘッドライト:予定していた時間より下山が遅くなり日没を迎えた場合、山は暗闇の世界となります。
ヘッドライトが無いと行動不能となりビバーク(野営)しなければならなくなります。日帰り登山でも必ず持っていきましょう。
軽量化を心がける
不要なモノをザックに詰めると、それを登山中にずーっと背負ったままになります。
そのため、本当にその登山で必要か?良く考えて持ち物を選ぶようにしましょう。
登山において、軽さは正義です。
ただし緊急時のエマージェンシーキットや非常食・水分は安全上の理由から削るべきではありません。
まずは、登山で必ず必要になる三種の神器と呼ばれる持ち物から紹介していきましょう。
y-hey
登山に絶対必要な三種の神器
レインウェア
山の天気は変わりやすいと良く言われる通り非常に変わりやすいです。
天気予報や出発時には晴天だったのが、いきなり土砂降りの雨に見舞われることもあります。
また、山の頂上付近では風も強いため体感温度が下がります。
例えば気温10℃でも、風速15m/sの暴風の場合、
10-15=-5で体感温度は-5℃になります。
レインウェアを持っていない状態で土砂降りの雨や強風を受けた場合、低体温症になり命の危険にさらされることもあります。
そのためレインウェアを用意することは、あなたの命を守ることに直結します。
レインウェアを選ぶ時のポイントは「防水・防風・透湿性」。
オススメの素材はゴアテックスです。
この素材は非常に目の細かい材質を何枚も張り合わせていて
水(液体の水)は通さないけど、湿気(気体の水)は通すため
普通の雨ガッパを着ている時のような、着ていてムシムシするということがありません。
逆に雨ガッパの場合は「透湿性」が無いため、移動時に体から出て来る汗の蒸気がカッパ内に水滴となって停滞してずぶ濡れになり、低体温症になるリスクがあります。
「防水・防風・透湿性」のレインウェア(動作のしやすさを考慮し、ポンチョタイプでは無く上下に分かれているタイプ)を選びましょう。
このような機能を兼ね備えたレインウェアは高価であることが多いですが
モンベルのストームクルーザーシリーズはコスパ最強レインウェアですので最初の一着としてオススメします。
※メンズ・レディースの順番で商品紹介をしています
登山靴(トレッキングシューズ)
道の整った遊歩道等であれば、スニーカーでも行けるかもしれません。
しかし登山道では滑りやすい道もあり、特に雨の降った後はスニーカーですと
滑って危険なため、登山用の靴を一足持っておくべきです。
登山靴(トレッキングシューズ)には大きく分けて3タイプあります。
- ハイキング用のローカット
- バランスの良いミッドカット
- ガッチリ足首を固定するハイカット
初心者がまず購入すべきなのはバランスの良いミッドカットです。
ほどよく足首を固定してくれるため、日帰りや小屋泊の登山に最適なためです。
キャラバンのトレッキングシューズは最初の一足として十分な機能を備えています。
一応↑で商品を紹介はしましたが、登山靴を購入する時は
必ず登山用品店の実店舗で試し履きをして下さい。
ネットで購入してサイズが合わず、登山の時に靴ずれがして痛い思いをしてはせっかくの登山も辛いものとなります。
試し履きをする時は、登山用品店にある登山用靴下を履いた状態で履いて下さい。
購入した後は、日常で少し登山靴を履いて、慣らしておくと
実際の登山の時もトラブルが起こりづらいです。
ザック(バックパック)
ザックはバックパックとも呼ばれ、日本語では登山用リュックサックのことを指します。
ザックには街で使うバッグとは違い、背負いやすい形をしていたり、
長時間背負っても疲れない、ムレない形に工夫されています。
腰の部分にベルトがあるタイプのザックは肩にかかる負担を減らせるのでおすすめです。
最初に購入すべきザックは日帰りであれば30L、小屋泊も今後する予定があれば45Lの大きさのものを購入すると良いです。
グレゴリーのザックはザック界のロールスロイスと呼ばれるだけあり
他のメーカーのザックとは背負い心地が格段に違います。
登山を始めるに当たってコストを押さえたいのであれば、モンベルのザックもオススメです。
モンベルの製品はコスパが高いものが多いので登山初心者の強い味方です。
登山の時に長時間背負うことになるザックもできれば
実店舗で実際に背負ってみて、装着感を確認と良いです。
あまり体に合わないザックですと、登っている途中で肩が痛くなってくる・・・ということも有りえます。
自分の体にしっかりと合う(特に背面長の寸法)ザックを購入して下さい。
どれが自分に合うかわからない、という方は登山用品店の店員さんに
「初心者で、日帰り用のザックを探しています。オススメはありますか?」
と聞けばオススメのザックを持ってきてくれると思います。
ザックカバー
日本の山は雨が良く降るため、雨が降った場合に備えてレインウェアと同じく、ザックカバーも必要になります。
ザックに最初から付属されているモデルもありますが、
付いていないモデルは別売りのザックカバーを購入する必要があります。
緊急時に対応できる必須装備
登山のザックに何を入れておくかというと、「緊急時に対応できる装備」というのがまず大前提としてあります。
では緊急時とは一体どのような状態でしょうか?
y-hey
登山は自然と向き合うスポーツなので、毎回毎回何事もなく下山できるかどうか分かりません。
道迷い、体調不良、骨折等の怪我、天候急変等により、下山が予定どおりできず、山の中でビバーク(野営)する必要が出てくるかもしれません。
そのような状況になっても対応できるような装備を紹介します。絶対に持っていって下さい。
ヘッドライト
初心者の方は「日帰り登山だからヘッドライトは必要ないかな」と考えがちですが
道迷いやアクシデント等が起きて予定時間より遅くなり日没の時間を迎えてしまうと
あっという間に周りは暗闇になり、行動不能になります。
日没後の山は街路灯が無いので真っ暗です。
月明かりが無い曇り空の場合、一歩先へ進むのも難しい程の真の暗闇となります。
(スマホで明かりは付けれますが、スマホのライトでは片手がふさがってしまい暗闇では危険なのと、
緊急時に連絡できるようにバッテリーをセーブしたいため、使用はオススメしません)
このようなケースは起こりえますのでヘッドライトは必須アイテムです。
日帰り登山であろうと絶対に持っていって下さい。
省電力のLEDを使用していること、軽量性、防水性(登山で雨が降ることも良くあります)
が押さえておきたいポイントになります。
これらを兼ね備えたブラックダイヤモンドのスポットは本当に優秀な製品です。僕も買いました。
もう一台予備用に欲しいくらいです。
ヘッドライトでオススメの機種、ブラックダイヤモンドのスポットについて熱く語った記事も書いています。
⇛あなたの登山用ヘッドライトにブラックダイヤモンド スポットをオススメする理由
防寒具
万が一、道迷いや滑落等で怪我をしてしまい予定通り下山できなかった場合、ビバーク(野営)する必要が出てきます。
山はただでさえ標高が平地に比べて高いから涼しいですが、夜になると一段と冷え込みます。
そのような場合になる可能性があるため、防寒着を持っていき備えておきましょう。
ポイントは、「その防寒着(とレインウェア)を着れば山の中で夜を越せるか?」想像してみることです。
また、昼食で休憩する時に体が冷えてきた場合にもさっと羽織れます。
最初はユニクロのダウンジャケットやフリースで十分ですが、軽量化を目指す方はモンベルのプラズマ1000が超軽量でオススメです。
ただし冬はもっと厚手のダウンが必要ですが。
ツェルト
秋・冬・春の季節、目的の山での夜の気温が10℃以下になる場合はツェルト(簡易テント)を用意しましょう。
特に日帰り雪山登山はツェルトの携帯は必須です。これを持たずにビバークする必要に追い込まれた場合、低体温症まっしぐらです。
ツェルトを持っていると、日没までに下山できない場合に「ビバーク(野営)をする」という選択肢を選ぶことができます。
逆にツェルトを持っていない場合、「なんとかして下山しないと」という気持ちで焦ってしまい、道迷いや滑落のリスクが高まります。
夏の低山(1500m以下)であれば、エマージェンシーシートでも万が一の場合でも夜を凌げるでしょう。
エマージェンシーシートの重さはたったの45gですので、お守り代わりにザックに入れておきましょう。
ファーストエイドキット
山の中ではいつ怪我をするかわからないため
ファーストエイドキットをパーティーの誰かが一つ携帯しておくと安心です。
中身は絆創膏、鎮痛剤、解熱剤、テーピング、ガーゼ、ニトリルグローブ等です。
道迷い防止のための道具
地図・コンパス
現在地を把握するために必要です。
登山でしたらコースタイムも記載されている、山と高原地図がおススメです。
最初は難しいかもしれませんが、国土地理院地図の25000分の1図を持っていくと地形まで読み取れますので、マイナーな山に登る時は必ず携帯しておくべきです。
地図は雨に濡れても大丈夫なように透明封筒に入れて持ち運びましょう。
コンパスは方角がわかるだけのものではなく読図に必要なプレートコンパスがあるといいでしょう。
昔から多くのモデルを出しているシルバ製がオススメです。
スマートフォン、予備バッテリー
万が一の時に緊急連絡、救助要請をするために必要です。
登山開始前には必ずフル充電にしておき、できれば登山中はバッテリーの減りを少なくするため電源OFFかフライトモードにしておきましょう。
間違ってもオンラインスマホゲームとかやってはいけませんよ(笑)
電波の悪い山の中でそんなことをしていたら、あっという間にバッテリー残量が無くなります。
y-hey
スマホはGPS機能もついており、地図アプリを入れれば現在地を地図上で確認できます。
地図アプリの中でも初心者にオススメなのがYAMAPです。詳しい使い方は別記事で解説しています。
▶無料で使える登山 地図アプリ「YAMAP(ヤマップ)」の使い方
こんなに便利なスマートフォンですが、バッテリーが無くなれば動きません。
また、山の中の低温下ではバッテリーの減りが早いため、予備バッテリーも必ず携帯して下さい。
iPhone15以降ならUSB-Cなので↓のバッテリーがオススメです。
また持ち運び時にはZIP LOCK等に入れて、雨に濡れないようにしておくといいです。
登山計画書
どんな低山であっても登山計画書の作成は必須です。
もし経験者の方と登山される場合は、経験者の方に作成してもらうと良いと思います。
なぜなら登山計画書を作成することによって
- 地図・ルートの確認
- 行程(スケジュール)に無理がないかの確認
- 必要装備の確認
ができるためです。頭の中で山に登るシミュレーションをするイメージです。
登山計画書の作成方法は別記事に詳しく書いていますので参考にして下さい。
▶登山届(登山計画書)とは?書き方や記入例、エクセルのフォーマットも紹介
食料・水
昼食
昼食は30分〜1時間くらいで食べます。昼食時は山の中で行動途中の(下山していない)状態のため、必要以上に時間をかけないようにします。
自炊も良いですが、調理に時間がかかるのと最初から道具(バーナー、コッヘル等)を揃えるのは大変なので、
登山当日にコンビニでおにぎり・サンドイッチ等炭水化物中心のものを選ぶと良いです。
行動食
エネルギー補給のための行動食として、手軽に食べれて高カロリーな食品を持っていくといいでしょう。
小休止の時にザックの裏蓋から取り出して食べます。
水分
登山で必要な水分量は以下の式で算出できます。
体重(kg)× 行動時間(h)× 5(mℓ) = 登山で必要な水分量(mℓ)
(例:60kgの人が4時間歩く場合、60×4×5=1,200 mℓ)
水が無いと人間は4〜5日しか生きられません。
下山時に少し余る程度余裕がある量を持っていくと緊急時に水不足にならなくて済みます。
登山時の水分の携行には中身が減るとペラペラで省スペース化できるプラティパスがオススメです。
また、↓のようにハイドレーションシステムを使うと
こまめに水分補給ができるためオススメです。(僕も使っています)
その他の装備
タオル
登山中、特に夏の低山を登ると気温や湿度が高いため汗をかきます。
そんな時に必要なのがタオル。最初は家にあるタオルで十分ですが、何度も登山をするようになったら
速乾性や消臭効果に優れたタオルを使うと快適です。
今治(いまばり)タオルの生地を使ったフジヤマタオルは速乾性、消臭効果に優れ、
さらに軽量でかさばらないため登山に最適なタオルです。
トイレットペーパー
山小屋にはトイレットペーパーが無い小屋もあるため、トイレットペーパーを持っていくと良いです。
家で半分以上使ったトイレットペーパーの芯を抜いてジップロックに入れておくと濡れても大丈夫です。
その他の装備
以下は必要に応じて用意して下さい。
- ウェットティッシュ
- 日焼け止め
- サングラス
- トレッキングポール
登山の服装
登山の持ち物とは少し違いますが、登山する時は服装も重要ですので季節毎に説明します。
夏の登山の服装
シャツ
登山の登りでは特に汗をかくため、肌着には吸湿速乾性のTシャツがオススメです。
雨が降ったらレインウェアを上から着用します。
ただし、アルプスのような2000m以上の所に行く場合は気温が低くなりますので、夏でも長袖シャツが必要です。
パンツ
夏はハーフパンツでも動きやすいためOKです。
ハーフパンツを履いた場合はコンプレッションタイツを合わせればすっきりとします。
ちなみにこのコンプレッションタイツは登山時の筋肉の微小な動きを抑えることにより
足の疲労を軽減してくれますので、長時間登山をする場合には履いておきたいです。
y-hey
春・秋の登山の服装
シャツ
シャツは長袖で、最初からレインウェアを上着として羽織るとよいでしょう。
ダウンジャケット
また、夜ですと冷え込むためダウンジャケットを持っていくと良いです。
最初はユニクロのダウンジャケットで十分ですが、
軽量化を目指す方はモンベルのプラズマ1000が超軽量でオススメです。
パンツ
春・秋の登山時のズボンはもちろん長ズボンで対応します。
冬の登山の服装
まとめ
今回は日帰り登山用に揃えておくべき装備や服装を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
たとえ日帰り登山といえども、今回紹介した道具を準備して安全登山を心がけて下さい。
読者の方に登山持ち物チェックリスト(エクセル版、PDF版)も準備しましたので登山準備にお役立て下さい。
↓のボタンをクリックするとダウンロードできます。(無料です)
ちなみにAmazonの登山初心者ストアは登山用品や服装がかなり充実しています。
お店では中々手に入らない品も安く売られており、Amazonプライムであれば即日配達で送料無料、
さらに頻繁にセールを行なっているため、定期的にチェックすると良いです。
この記事を読んであなたのアウトドアライフがちょっとだけ豊かになれば幸いです。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
現在募集中のツアーは↓です!
みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)