写真も撮れる登山ガイド 上田洋平のブログ 関東を起点として日帰りトレッキングから雪山まで、少人数のツアーを開催しています

八ヶ岳 硫黄岳 登山コース紹介&登山ガイドレポート

 
八ヶ岳 硫黄岳 登山コースガイド

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日本山岳ガイド協会認定登山ガイド ステージ Ⅱ 日本オートキャンプ協会公認オートキャンプ指導者 写真も撮れる登山ガイドとして 関東、富士山、日本アルプス、八ヶ岳の山々をガイドしています。 ブログでは登山、アウトドア等の記事の発信を通して 読者の方に”人生を120%楽しんでもらいたい”と考えています。 2児の父ですがマッターホルン(4,000mまで)、南米最高峰アコンカグア(5,000mまで)、アフリカ最高峰キリマンジャロをフルサイズ一眼レフカメラを抱えて登ったり(普段は自称イクメンです)空手もやってた多趣味な男です。 ブログはゆるいペースですが2005年から書き続けています。(当サイトは2015年から) 2017年11月からテレビ出演多数、2018年5月には10万PV突破、 2022年7月には執筆協力させて頂いた登山ガイド本が発売されました!
詳しいプロフィールはこちら

長野県と山梨県にまたがる「八ヶ岳」は南北に約30km、東西に約15km広がる山脈で
八ヶ岳中信高原国定公園に指定されています。

 

八ヶ岳の名前の由来は諸説があります。

  • 「八」は「八百万(やおよろず)」のように多くの数を表す数字から「多くの峰々」を表す説
  • 八つの峰からできている説
  • 谷を指す「谷戸(やと)」「谷津(やつ)」が語源という説

 

一般的に「八ヶ岳」と言った時に指す山は
赤岳、横岳、硫黄岳、天狗岳、阿弥陀岳、編笠山、権現岳、西岳
になります。

 

夏沢峠を境に「北八ヶ岳」と「南八ヶ岳」に分かれるその山脈で、岩稜帯が続きアルペンムードを放つ南八ヶ岳の最北にあり、
登山道が整備されていて初心者でも登りやすいのが硫黄岳(いおうだけ、2,760m)です。

 

今回は富士山ステップアップツアーの第4弾として硫黄岳登山ガイドツアーを開催し、ガイドさせて頂いたレポートをお伝えします!

初めての富士登山で登頂達成しよう! 富士登山ステップアップ ガイドツアー

 

八ヶ岳 硫黄岳 登山情報

山名 / 標高

  • 硫黄岳(いおうだけ、2,760 m)

場所

  • 長野県茅野市、南佐久郡南牧村

 

八ヶ岳 硫黄岳 登山コース

  • 桜平コース 登り利用 下り利用
    標高1,900mの桜平から登る標高差の少ないコース。
    1日目は桜平を出発し夏沢鉱泉を経由してオーレン小屋で1泊。小屋に着いた後、峰の松目まで足を伸ばしても良い。
    2日目は赤岩の頭を経て硫黄岳へ登頂後、夏沢峠経由でオーレン小屋へ戻り、桜平まで下る。コースタイム(往復): 1日目 3時間15分、 2日目 3時間5分
    登山口からの累積標高差:上り 1,156m 下り 1,151m
  • 赤岳、横岳、硫黄岳 縦走コース 人気コース
    1日目は美濃戸口から登り始め赤岳山荘、美濃戸山荘経由で赤岳鉱泉へ。
    2日目は赤岳鉱泉を出発し、赤岩の頭経由で硫黄岳を登頂。
    その後、岩稜帯の横岳を経由し八ヶ岳最高峰の赤岳に登頂。
    文三郎尾根経由で行者小屋、赤岳鉱泉へと戻り美濃戸口へ下山するコースタイム(往復): 1日目 3時間、 2日目 9時間
    登山口からの累積標高差:上り 1,683m 下り 1,685m
地図を持たない登山は大変危険です。必ず地図を持って登山しましょう!

 

所要時間

桜平コース: 6時間20分(休憩含まず、往復の場合)

1日目:桜平ゲート(30分)〜 夏沢鉱泉(50分)〜 オーレン小屋(1時間10分)〜 峰の松目(45分)〜 オーレン小屋(泊)

2日目:オーレン小屋(1時間10分) 〜 赤岩の頭(20分) 〜 硫黄岳(40分)〜 夏沢峠(15分)〜 オーレン小屋(30分)〜 夏沢鉱泉(20分) 〜 桜平ゲート

山と高原地図のコースタイムを記載

 

下図の紫線沿いのルートです。

硫黄岳 登山ルート

 

硫黄岳登山の難易度

桜平コース:★★☆☆☆

桜平からの登山道は整備されていて歩きやすく、オーレン小屋等の山小屋を使って1泊すれば体力的にも余裕のあるルート。

硫黄岳山頂付近は岩がゴロゴロしているガレ場のため、転倒や落石を起こさないように注意して下さい。

 

おすすめ度:★★★★★

八ヶ岳 硫黄岳山頂からの眺め

初心者でも登れ、山頂からは八ヶ岳の横岳・赤岳・中岳・阿弥陀岳、そして南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスと360°の展望が望めます。

 

硫黄岳 登山口 桜平へのアクセス

硫黄岳 桜平駐車場(中)

桜平には駐車場が上、中、下の3箇所あります。

駐車場(下)から登山口のゲートまでは約1時間30分かかるため、できれば(上)もしくは(中)の駐車場に駐めたい所ですが
週末は朝早い時間に埋まってしまうため、計画を立てる際は注意が必要です。

詳しくはオーレン小屋のHPに記載されていますので参考にして下さい。

http://www.o-ren.net/assets/img/access/sakuradaira_parking2.pdf

※桜平駐車場(中)にはトイレがありますが、2021年7月現在、コロナ対策のため閉鎖しているので注意です。

 

桜平までの道は未舗装の道なので、車高の低い車はバンパーを擦らないように気をつけましょう。
(うちのミニバンは何度か擦りました・・・)

 

山小屋に宿泊予約すると送迎サービスもあり

山小屋によっては宿泊予約をした場合は無料で送迎してもらえるサービスもあります。

これはめちゃめちゃ助かりますね!

y-hey

 

夏沢鉱泉(JR茅野駅 〜 桜平登山口ゲート)(コロナ禍の2021年も運行中)

オーレン小屋(JR茅野駅 〜 桜平登山口ゲート)2021年はコロナ対策のため運行停止中

 

 

登山データ

日時

2021年7月17日(土)〜 18日(日)

 

メンバー:

上田洋平(y-hey):写真も撮れる登山ガイド

登山ガイド 上田洋平(y-hey)

このブログ「登っちゃえば?」を書いている「写真も撮れる登山ガイド」。

日本山岳ガイド協会 認定登山ガイド かながわ山岳ガイド協会所属

山登り歴は15年以上、一眼レフ歴は10年以上でキリマンジャロ(5,895m)登頂、アコンカグア5,000mまで到達した時も一眼レフカメラはしっかりと持って登っている。

ドMなので山小屋泊なのにカメラ機材入れると25kgになる荷物を背負って山に登ることに喜びを感じている。

詳しいプロフィールを一応見てみる

 

ツアー参加のメンバー(y-heyの長男も富士登山の練習として急遽参加)

硫黄岳ガイドツアー参加メンバー

 

ここからは実際に登った登山記をお伝えしますので、あなたが登山される際の参考にして下さい!

y-hey

 

八ヶ岳 硫黄岳ガイドツアー1日目 2021年7月17日(土)

桜平 登山口から出発

硫黄岳 桜平駐車場(中)

集合場所は神奈川県のJR辻堂駅。そこからガイドの僕の車で参加者のみなさんで約3時間の移動です。

そして未舗装の難路を進んで(少しバンパーを擦って)到着したのが桜平 駐車場(中)登山口。

車高の低いミニバンに乗っている僕にとっては、ここに車で来るまでが硫黄岳登山の核心部だった気がします

y-hey

 

さらに駐車場で車から出るとアブの大群の強襲! アブ、アブ、アブゥ!

弱虫ペダルの泉田君みたいに腹筋を使って全力で車のドアを閉めて出発。。。でも車の中に2〜3匹入ってしまったような・・・

夏の桜平駐車場はアブに注意です。

 

ドタバタしてしまいましたが、桜平のゲートから出発です!

八ヶ岳 硫黄岳 桜平ゲート

ハクサンシャクナゲが咲いていました。

ハクサンシャクナゲ

 

桜平〜夏沢鉱泉 登山道

桜平登山道 夏沢扇滝

最初はひたすら夏沢沿いの林道を進みます。途中で夏沢扇滝があります。

 

林道では多くの植物を見れます。

シロバナヘビイチゴ

シロバナヘビイチゴ

 

キバナノコマノツメ。

黄色い花が咲き、葉が馬(駒)の蹄(ヒヅメ)の形状に似ていることから「黄花の駒の爪」と呼ばれています。

キバナノコマノツメ

 

ゴゼンタチバナ

ゴゼンタチバナ

 

夏沢鉱泉

夏沢鉱泉

桜平ゲートから約30分で夏沢鉱泉へ到着。

 

あげもちを食べつつ小休止します。

夏沢鉱泉 あげもち

 

上のほうでも紹介しましたが、夏沢鉱泉に小屋泊すると、JR茅野駅〜桜平まで無料送迎してもらえるため、
公共交通機関で行く場合はうまく活用したいですね。

夏沢鉱泉(JR茅野駅 〜 桜平登山口ゲート)(コロナ禍の2021年も運行中)

 

夏沢鉱泉 〜 オーレン小屋

夏沢鉱泉〜オーレン小屋 登山道

夏沢鉱泉までは車も通れる幅の林道でしたが、夏沢鉱泉から先へ少しすすむと、いよいよ登山道になります。

 

快晴の空の下、木漏れ日が指す八ヶ岳の森。

夏沢鉱泉〜オーレン小屋 幻想的な風景1

 

自分達の足音以外は沢の流れる音のみという静寂の森

夏沢鉱泉〜オーレン小屋 幻想的な風景2

 

オーレン小屋

オーレン小屋 外観

汗をかきながらも気持ちの良い樹林帯を進むとオーレン小屋に到着です。

 

名物のボルシチを頼んでみました。ライスの量が結構ハンパない感じです。

オーレン小屋 昼食 ボルシチ

暑いけどうまいです!

y-hey

 

オーレン小屋 〜 峰の松目

八ヶ岳 オーレン小屋〜峰の松目 登山道

腹ごしらえをした後は標高2,567mの「峰の松目」を目指して樹林帯の登山道を進みます。

 

八ヶ岳 オーレン小屋〜峰の松目 登山道

 

途中で少し眺望が開けます。

八ヶ岳 オーレン小屋〜峰の松目 登山道

 

峰の松目への登山道はあまり踏み跡が無く、急登もあります。

八ヶ岳 オーレン小屋〜峰の松目 道標

 

 

峰の松目 山頂

八ヶ岳 峰の松目 山頂

峰の松目山頂へ到着です! 眺望は・・・ 樹林帯の中なので、あまり無いです。

 

シラビソを見て癒やされながらオーレン小屋へ戻ります。

八ヶ岳 オーレン小屋〜峰の松目 シラビソ

 

オーレン小屋でお風呂、夕食

八ヶ岳 オーレン小屋 夕食 桜鍋

さて、オーレン小屋へ戻った後はお風呂に入って(シャワーは水のみ、石鹸使用不可)汗を流した後は
オーレン小屋名物の桜鍋の夕食を食べます。

 

夕食後に少し寒いくらいの外に出て、1日目に登った峰の松目を見て寝ます。

八ヶ岳 夜の峰の松目

 

八ヶ岳 硫黄岳ガイドツアー2日目 2021年7月18日(日)

オーレン小屋で朝食、出発

八ヶ岳 オーレン小屋 朝食

2日目の朝はオーレン小屋で5時30分から朝食です。

 

準備をして、6時過ぎに出発!2日目はいよいよ硫黄岳を目指します。

八ヶ岳 オーレン小屋から見る硫黄岳

 

オーレン小屋 〜 赤岩の頭

途中までは1日目に登った峰の松目への道と同じ道です。

シダ植物の葉のような花、オサバグサを発見しました。

八ヶ岳 オサバグサ

 

途中から日が昇ってきて気温が上がり始めます。

八ヶ岳 オーレン小屋〜硫黄岳 登山道

 

ミヤマキンバイ。

漢字では「深山金梅」と書き、深山(高山)に自生する金色の梅の花に花弁が似ることから、その名が付いています。

八ヶ岳 ミヤマキンバイ

 

振り返れば中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスが!

八ヶ岳 オーレン小屋〜硫黄岳 登山道

 

景色が開ける赤岩の頭(あかいわのかしら)はすぐそこです!

八ヶ岳 オーレン小屋〜硫黄岳 登山道

 

赤岩の頭 〜 硫黄岳

八ヶ岳 横岳、赤岳、天狗岳

赤岩の頭の頭では一気に眺望が開け、これから登る硫黄岳や、↑の写真のように横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳、さらに奥には南アルプスが迫ってくるかのようです!

 

硫黄岳 山頂

八ヶ岳 硫黄岳 山頂

赤岩の頭から約20分、岩でガレた登山道を登ると硫黄岳山頂に到着です!

 

日曜日の朝なので、山頂は賑わっています。

八ヶ岳 硫黄岳 山頂

 

最高の天気なので爆裂火口を望むことができました♪ 今まで何度も硫黄岳に登っていますが、こんなに天気が良いのは初めてかも。

八ヶ岳 硫黄岳 爆裂火口

 

今回富士登山の練習で参加した長男と一緒に撮ってもらいました。タイトルは「親父の背中」。

八ヶ岳 硫黄岳山頂から眺めるy-heyと長男

 

硫黄岳山頂 〜 夏沢峠

八ヶ岳 硫黄岳山頂〜夏沢峠 登山道

さてここからは夏沢峠経由でオーレン小屋へ戻ります。

奥に見えるのは根石岳、天狗岳(西天狗・東天狗)と蓼科山です。

 

山頂直下の道は浮石の多いガレ場なので、転倒しないように注意しながら下ります。

途中でワンコが!可愛いですね〜。

八ヶ岳 硫黄岳山頂〜夏沢峠 犬

 

夏沢峠まで無事に下ってきました。

八ヶ岳 夏沢峠

 

夏沢峠 〜 オーレン小屋

八ヶ岳 夏沢峠〜オーレン小屋 登山道

夏沢峠からオーレン小屋へ行く道は再び樹林帯になります。

 

オーレン小屋で登頂証明書をもらう

オーレン小屋 登頂証明書をもらう

オーレン小屋独自のサービスとして、小屋泊している小学生以下の子が硫黄岳、根石岳、天狗岳のどれかに登ると「登頂証明書」を発行してもらえるのです!

オーレン小屋 登頂証明書

うちの子は6年生なので登頂証明書を発行してもらました!

 

参加者の方々と記念撮影です。おめでとう!

オーレン小屋 登頂証明書をもらう

 

硫黄岳山頂付近で会ったワンコと再会。

オーレン小屋で長男と犬

 

オーレン小屋 〜 夏沢鉱泉

八ヶ岳 夏沢鉱泉〜オーレン小屋 登山道

1日目に来た道を下っていきます。

 

夏沢鉱泉に到着。ここで昼食です。

八ヶ岳 夏沢鉱泉

 

ラーメンを注文して汗で流れた水分、塩分を補給です。ソーセージ入りです。

八ヶ岳 夏沢鉱泉 ラーメン

 

夏沢鉱泉 〜 桜平

八ヶ岳 夏沢鉱泉〜桜平 登山道

夏沢鉱泉から桜平まで下る道も良い雰囲気。

 

そして桜平へ下山完了!参加者のみなさん、お疲れ様でした!

八ヶ岳 硫黄岳 桜平駐車場(中)

 

下山後の温泉

縄文の湯

帰りは桜平から近い、縄文の湯に入ってさっぱりしてから帰りました。

 

車で帰っている途中で田んぼ道があり、硫黄岳を含む八ヶ岳がくっきり見えました。八ヶ岳ブルーと呼ばれる青空の下で。

八ヶ岳を振り返る

そしてこの後中央道の20km事故渋滞にハマるのでした・・・

 

まとめ

今回は「八ヶ岳 硫黄岳 登山コース紹介&登山ガイドレポ」をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

硫黄岳山頂や赤岩の頭から八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスが見渡せて最高の天気の登山でした!

今回は桜平から登りましたが、桜平駐車場(中)までの未舗装路の道のりが一番の核心部でした。あとアブも。
車高の低い車の方は美濃戸口から赤岳鉱泉経由で硫黄岳へ登るコースのほうが良いかと思います。

 

この記事を読んであなたのアウトドアライフが豊かになれば幸いです。

最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

 

現在募集中のツアーは↓です!
みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)

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