登山届(登山計画書)とは?書き方や記入例、エクセルのフォーマットも紹介
登山をする時に提出すべきなのが登山届(登山計画書)。
でも「登山届って聞いたことはあるけど、よく分からないし書いたことない」なんて方もいると思います。
今回は登山届の説明やその目的、書き方、
さらにダウンロードできる登山届のエクセル版フォーマットも用意しましたので
これらを活用して安全登山を楽しんで下さい!
登山届(登山計画書)とは?
登山届は登山計画書、登山者カード、入山届ともいい、
主に登山メンバー、日程、ルート、装備、食糧、緊急連絡先を記載した上で
登山時に山域の管轄警察署に提出する書類です。
登山届(登山計画書)を作成する目的
もし遭難した時の捜索場所の手がかりとなる
登山届には、
- どんなメンバーで登るのか?
- どんなスケジュールで登るのか?
- どの登山口からどのルートを登って、どの下山口へ下りるのか?
- どこに泊まる予定なのか?テント泊か山小屋泊どちらか?
- どんな装備で登るのか?
- 何日分の食糧を持って登るのか?
- 緊急連絡先
を記載します。
これらの情報があれば、万が一遭難した時、登山届の情報を元に遭難場所の特定が容易になります。
逆に登山届を作成・提出せずに登山をした場合を考えましょう。
家族へ「2泊3日で北アルプスの穂高岳へ登ってくるね。」とだけ伝えて、山へ向かったものの
向かった本人は3日経っても帰ってきません。
家族が心配して警察へ連絡を入れますが、「2泊3日」「穂高岳」という情報しかないため
どこから入山してどこに泊まって、どのルートを辿ったのかも分かりません。
そもそも「穂高岳」は北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳の4峰あり、
どの穂高岳に登ったのかも分からないため警察や山岳救助隊の方々も
広範囲の捜索を行うこととなり、発見まで時間もかかりますし捜索費用も膨大になります。
このような状況を防ぐために、登山届(登山計画書)は必要不可欠なのです。
登山の行動計画を立てる
登山届(登山計画書)を作成することによって
- ルート
- 行程(スケジュール)に無理がないか
- 必要装備は十分か
が明確になります。
どんな低山であっても登山計画書の作成は必須です。
もし経験者の方と登山される場合は、その方に作成してもらっても良いですが
自分で作ってみると、登山に対する意識が変わってきますので、一度作成してみることをオススメします。
登山届(登山計画書)の書き方、記入例
登山届(登山計画書)は決まったフォーマットはありませんが
上記で述べた項目が書かれていればOKです。
書き方の例として↓に記入例を記載します。
(無料ダウンロードできるエクセル版フォーマットにも記入例として入っています)
地図やどのルートをたどるかの情報も記載しましょう。
手書きの簡略な図でも、読む人が「どのルートをたどるのか」を分かれば良いです。
登山届(登山計画書) エクセル版フォーマットのダウンロード
参考までに私が活用しているエクセルのフォーマット(記入例付き)を
↓にアップしておきますのでダウンロードして活用して下さい。(無料です)
(ボタンをクリックするとダウンロードされます)
登山届(登山計画書) オンライン版
最近では登山届をエクセルで作成するだけでなく、ネット上で無料で出来てしまうシステムもあります。
とても便利なので活用していきましょう!
y-hey
コンパス
公益社団法人日本山岳ガイド協会が取り扱う、登山計画作成・提出システム「コンパス」。
登山届(登山計画書)の作成や提出まで、すべてオンラインで出来てしまうシステムです。
ヤマプラ
山と高原地図(コースタイム付き地図)が発行されているようなメジャーな山でしたら
ヤマレコのサイトからヤマプラというシステムを使って行程表や登山計画書を作成できてしまいます。
めっちゃ楽に登山届を作成することができますが、印刷して提出する必要があります。
登山届(登山計画書)の提出先は?
登山口のポスト
ほとんどの登山口には登山届(登山計画書)を提出するための「登山ポスト」が設置されています。
「登山者カード入れ」「登山者ポスト」「登山届入れ」「登山届ポスト」
色々と名称はあるようですが、どれも登山届(登山計画書)を入れる箱です。
登山ポスト前にも登山届の用紙は置いてあることも多いですが、
計画段階で事前に登山計画書を作成し、印刷したものを提出すると良いです。
郵送やFAX
登る山の管轄する警察署の地域課に郵送やFAXで提出することができます。
提出先は日本山岳協会のHPに記載されていますので参考にして下さい。
オンライン
先程紹介した、登山計画作成・提出システム「コンパス」を使えば、オンラインで登山計画書の提出まで出来てしまいます。
家族
山に行く前に必ず家族にも登山計画書を渡しておきましょう。
もしもの時に警察へ連絡を入れてくれるのは家族です。
その際に登山計画書があると無いとでは捜索のスピードが全く異なります。
下山後はどうする?下山届は必要?
登山届を提出したら気になるのが、「下山後は下山届を出すの?」という疑問です。
結論から言うと、下山届は出す必要はありません。
捜索は、家族や知人から警察へ連絡があって初めて行われます。
捜索願いがあった場合、山岳救助隊の方が入山口にある登山ポストを開けて
捜索願いが出ている登山者の情報を得るために登山届を確認します。
そしてその時刻に通りそうなルートを探したり、周辺の山小屋に聞き込みをしたりするのです。
また、縦走(じゅうそう:山頂に立ったあと、下山せずにそのまま次の山を目指すこと)
する場合やエスケープルート(天候の変化等により緊急避難するルート)で下山した場合、
入山口と下山口が違うので管理できません。
そのような理由から下山届は必要無いです。
スマホからボタンひとつで下山届を提出することができ、
緊急連絡先へ無事下山したことを伝えることができます。
登山届(登山計画書)の提出が義務化されている自治体
無計画で山に登ることによる遭難を防ぐため、条例として登山計画書の提出を義務付けている自治体もあります。
2020年6月現在、
- 長野県
- 岐阜県 北アルプス、御嶽山、白山、乗鞍岳
- 富山県 剱岳周辺
- 山梨県 南アルプス、八ヶ岳、富士山8合目(厳冬期 12月〜3月は義務、他の期間は努力義務)
- 群馬県 谷川岳
- 石川県 白山 活火山地区
が義務化の対象となっています。
より詳しい情報を知りたい場合は、↓の日本山岳協会のHPを参考にして下さい。
義務化されていないから登山届(登山計画書)は作成しなくても良いというわけでは無く
里山ハイキングでも無い限り、遭難防止のために必ず作成すべきです。
まとめ
今回は登山届(登山計画書)の説明やその目的、書き方、エクセル版フォーマット
までお伝えしましたがいかがでしたでしょうか?
登山届(登山計画書)は万が一の場合に備えて、山へ入る前に必ず準備して下さい。
しっかりと登山計画書を作って安全登山を楽しんで下さい!
y-hey
この記事を読んであなたのアウトドアライフが豊かになれば幸いです。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
次は持ち物をしっかりと準備しておきましょう。
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みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)