登山ガイド 資格試験対応講習会 in 上高地 誰よりも詳しい参加レポ
いつも当ブログを読んでいただきありがとうございます。
アウトドアライフクリエイターのy-heyです。
少し前になりますが、登山ガイドの一次試験(2018年11月)を受験する1ヶ月前の2018年10月、
公益社団法人日本山岳ガイド協会が主催する「自然ガイド・登山ガイド 資格試験対応講習会」に参加してきましたので
学んだ内容について全力でレポしたいと思います。
登山ガイド 資格試験対応講習会 概要
受講対象者
公益社団法人日本山岳ガイド協会の自然ガイド分野の自然ガイド資格、登山ガイド資格の受験希望者。
公益社団法人日本山岳ガイド協会のガイド資格認定試験を受験しようとする者。
日程と募集定員
2018年10月10日(水)〜10月14日(日) 4泊5日 定員22名
※通常年2回、5月と10月に開催されています。
詳しくは日本山岳ガイド協会のHPで確認できます。
平日3日を含めた4泊5日なので都合をつけて参加するのが大変ですが、筆記、実技試験に向けた内容をみっちり学べます。
y-hey
開催地
〒390-1520 長野県松本市安曇上高地4468
公益社団法人日本山岳ガイド協会 研修所「上高地アルプス山荘」
上高地バスターミナルから徒歩3分くらいの静かな場所にあります。
受講料
88,000円
受講料に含まれるもの:講師料、保険料、宿泊費(3 泊)、食費
受講料に含まれないもの:講習会場までの交通費、第4日目の昼食、夕食及び第5日目の朝食、昼食
講習会のお値段は結構いいお値段ですが、よく考えてみると4泊5日の講習で宿泊費や食費が入っており、5日間の講師料も含めて、ということで考えると
一日あたり17,600円(88,000円 ÷ 5 日= 17,600円 / 日)なのはよく考えてみるとリーズナブルとも言えます。
持ち物
出典:自然ガイド・登山ガイド 資格試験対応講習会 参加募集要項
持ち物は通常の登山道具に加え、ロープ(8mm✕30m以上)、ハーネス、スリング、カラビナ、ヘルメット等
また、山岳ガイド協会指定の教科書が必要です。
ハーネスはダイアパータイプと書いてありましたが、
クライミングでも兼用できるレッグループタイプのPETZL(ペツル)のシッタを持って行きましたが大丈夫でした。
(事前にガイド協会に電話で問い合わせて問題無いことを確認しました)
もちろんガイドとしては色々な体格の顧客に合わせれるようにダイアパータイプのハーネスがベターです。
2019年以降は持ち物が変更になる可能性があるので、最新情報は日本山岳ガイド協会のHPから入手して下さい。
学べる内容
講義
ルートガイディング及び装備・服装、安全管理(リスクマネジメント)、自然解説技術及び専門的知識 エコツーリズムについて
危急時対応技術、ガイド業務関連法, ガイド倫理及びマナー知識、ガイディング技術と安全管理、地形図と読図 地図の読み方の基礎、スポーツ科学の基礎知識、山の気象
実技
ガイディング、歩行技術、ロープ技術、固定ロープの張り方
自然解説技術、読図実習、ビバーグ実習、自然観察と解説技術
特に講義の部分は筆記試験の1ヶ月前に重要なところを解説してもらえます!
筆記試験の1ヶ月前にガイド協会の講師の方が「重要」と言って教えてくれるということは・・・
忖度(そんたく)して下さい(笑)
申し込み方法
- 受講料を振込の上、申込用紙、誓約書、振込時の送金確認のコピーを郵送、
- 現金書留で申込用紙、誓約書、現金を送付する
のどちらかの方法で申し込みをします。
詳しくは日本山岳ガイド協会のHPの講習会案内にて確認できます。
ここからは実際に登山ガイド資格試験対応講習会を受講した内容をお伝えします!
y-hey
登山ガイド 資格試験対応講習会 受講記
一日目 2018年10月10日(水)
始まりは上高地バスターミナル
講習会初日はお昼の12時45分集合のため、車で名古屋を早朝に出発し12時20分くらいに上高地バスターミナルに到着。
上高地アルプス山荘がある場所へと西へ進みます。
すると、上高地アルプス山荘の案内板が!
上高地 アルプス山荘からいきなり大天井岳?
集合場所である上高地にあるアルプス山荘に到着です。
時を同じくして他にも講習を受ける方々と合流し、軽く挨拶を交わした後、山荘内で受付を済まします。
すると、
「y-heyさんは大天井(おてんしょう)だね。」
といきなり言われました。
この時y-heyの心の中は、
えっ?この時間(13時頃)の上高地から大天井岳(おてんしょうだけ)を目指すのか?
コースタイムで13時間くらいかかるんですけど・・・ と、登山ガイドたるものそれくらいの体力は無いといかんのかな?
y-hey
と一瞬思って焦りつつも部屋へ向かったら、
ドーン!
大天井岳!
私が行くべき大天井岳は”部屋の名前”でした。
ヤレヤレだぜ。(ただの勘違い)
ちなみに他にも北アルプスの山々がずらり(笑)
大天井岳(おてんしょうだけ)の中はこんな感じでキレイな部屋でした。
ここでy-heyも含めて男性5人で宿泊しました。
西穂高岳登山道でルートガイディング講習
アルプス山荘へ着き、オリエンテーションで講習会全体の流れを講師の方々から説明された後、
早速ルートガイディングの実習で西穂高岳登山道へ向かうことに。
出発前に必ずガイドとして行うべき「出発前準備」でどんなことを行うのか、実際に講師の方が説明してくれました。
その後は梓川沿いルートで進みます。
登山ガイドとしてどのようなことを説明しながら顧客をリードして行くのか、自然解説はどのようなタイミングで行うのか等
を説明していただきながら西穂高岳登山道へ。
一日目の天気は残念ながら雨だったのでみんなレインウェアを着てザックカバーを付けています。
歩きながらの撮影だったのでブレていますが、登山道内での一枚。
登山道の危険箇所の注意点や自然解説技術について学びました。
夜は豪華な夕食と机上講習
雨に濡れて帰ってきた我々を待っていたのは豪華な夕食!
実習で歩いてお腹が空いたのでモリモリ食べます!
y-hey
そしてその後は机上講習も行いました。
二日目 2018年10月11日(木)
机上講習
講習会2日目は天気が悪いため、一日中机上講習でした。
夕食はトンカツ。
机上講習のみで全然動いていない身としては中々のボリュームでしたが美味しくいただきました!
ロープワークと救急搬送
夕食後は山荘内の談話室でロープワークとツェルト設営方法、救急搬送の方法等を学びました。
ロープワークはエイトノットやクローブヒッチ、ムンターヒッチ等の結び方
オートブロック、クレイムハイスト等を学びました。
そしてザックを使って行動不能者を搬送する「ザック搬送」のやり方も学びました。
三日目 2018年10月12日(金)
机上講習とロープワーク実技講習
三日目の午前中は机上講習で、午後からロープワークを立ち木で行いました。
この日に習ったロープワークの内容としては、
- 固定ロープの張って危険箇所を通過する方法
- ムンターヒッチで顧客を下降させる方法
- 腕絡み下降
です。
夕食のメインは鶏のソテー。毎日豪華です!
四日目 2018年10月13日(土)
岳沢登山道でルートガイディング講習
4日目は岳沢登山道にてルートガイディング講習を行い、夜はビバークをするという講習会のハイライト的な一日。
朝にアルプス山荘を出発し、梓川から岳沢と穂高連峰を仰ぎ見みつつ、
上高地から木道を進んで岳沢登山口へと向かいます。
岳沢登山口へ到着。
ここまで来る途中もグループ(6人)に分かれ、交代で登山ガイド役をやりつつ進んでいます。
本格的な登山道になってきました。
自然観察の解説技術を学びながら進みます。
岳沢名物の天然クーラー、風穴です。
樹林帯を越え、岳沢に出て穂高連峰が見えるようになった辺りで昼食を取り、ここから下山です。
珍しく山の中で一眼レフカメラを持っていないのでiPhoneで撮影してもらいました。
下山中もしっかりと解説しながら下山です。
岳沢湿原の透き通る水に感動しながら写真を撮影。
先程までいた岳沢を振り返る。あっという間でしたね。
梓川沿いのルートでアルプス山荘に帰ります。
ビバーク実習
講習会4日目の最後はツェルトでのビバーク実習。
立ち木にロープを張り、スリングとカラビナでツェルトを吊るし、ペグで地面に固定します。
ちなみに私はfinetrackのツェルト2ロングを使いましたが、ガイドとしては
8人が座って収容できる大きさのアライテント・スーパーライトツェルト2ロングが良いそうです。(私はこの講習会の後に追加で買いました。)
夕食は各自持参したもの。私はドライフードのビーフシチューやみそ汁を食べました。
最後の夜は受講生と講師の方と一緒にみんなで飲みました。
ビバーク実習時の酒はうまい!寒いけど・・・
五日目 2018年10月14日(日)
ツェルト撤収
足がめっちゃ寒くてあまり眠れなかった・・・
と思いつつ起きると、なんと自分の足がツェルトからはみ出し、外に突き出ているでは無いですか!
テント泊なら幕がすべて縫われているため、こんなことは無いですがツェルトでは起こりうることですね。
気をつけよう・・・
y-hey
ガイドプラン発表
ビバーク後はツェルトを撤収し、上高地ビジターセンターに立ち寄り
自然についての資料を調べ、上高地アルプス山荘に帰着。
その後はチームに分かれてガイドプランを実際に作成し、発表する締めの日。
各チームが素晴らしい登山プランを考え、発表していました!
そして長かった4泊5日の講習会も終了!
無事に修了証をもらいました!
頑張っただけあって感動だー!
y-hey
ただし、これは試験合格とは一切関係無いそうです。(まぁそうですよね)
解散。そして帰路へ。
修了証をいただいた後はお昼に解散となりました。
上高地バスターミナルでバスが来るまで時間があるので、バスターミナル2階にある上高地食堂で昼食です。
そしてバスで平湯温泉のあかんだな駐車場へ行き、そこから名古屋まで一人ドライブで帰りました。
ちなみに関西・名古屋方面から北アルプスへ行く時に利用する、あかんだな駐車場については別記事で詳しく書いています。
まとめ
今回は2018年10月に行われた公益社団法人日本山岳ガイド協会が主催する「自然ガイド・登山ガイド 資格試験対応講習会」に参加した時のレポを全力でお届けしました。
それにしても大天井岳(おてんしょうだけ))は焦りましたね・・・(ただの勘違い)
この講習会では
机上講習(山岳ガイド協会の教科書を元に進める)
ルートガイディング及び装備・服装、安全管理(リスクマネジメント)、自然解説技術及び専門的知識 エコツーリズムについて
危急時対応技術、ガイド業務関連法, ガイド倫理及びマナー知識、ガイディング技術と安全管理、地形図と読図 地図の読み方の基礎、スポーツ科学の基礎知識、山の気象
実技講習
ガイディング、歩行技術、ロープ技術、固定ロープの張り方
自然解説技術、読図実習、ビバーグ実習、自然観察と解説技術
とバランスよく学べます。
何よりもロープワークや固定ロープの張り方等、山岳会に所属せずに普通に登山しているだけだと学べないことを学べました。
また、机上講習の内容は大変重要で、筆記試験前の対策という意味でも参加する価値は大いにあると思います。
価格が88,000円なのと日程が4泊5日なので参加へのハードルは高いとは思いますが、参加した私としては価格以上の価値がありました。
登山ガイド、自然ガイドを目指している方で気になった方は最新の講習会について
日本山岳ガイド協会のHPで確認してみて下さい。
この記事を読んであなたの登山ライフが豊かになれば幸いです。
最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
この講習会の1ヶ月後に筆記試験を受けるまでの対策内容や試験レポは↓の記事で解説しています。
現在募集中のツアーは↓です!
みなさんとお会いできるのを楽しみにしています(^o^)